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とても愛らしくこの世で一番大事だと思える彼女が、俺の腕の中に居る。
これが、夢なんではないかと思えてしまい強く彼女を抱き締めてしまう。
彼女の温もりが体全体に伝わり、それが幸福となって心を埋めていく。
やっと、やっと彼女の側に居れる。
今度こそ、彼女を守ってみせよう。
何があっても、俺がお前を守る。
だから、ずっと笑っていてくれ。
昔のように、あのときと同じ笑顔で。
「もも、愛してる。」
瞼を閉じ小さく寝息をたてている彼女には、きっと聞こえていないだろう。
だが、それでも良い。
こうして、自分の想いを素直に伝えられるのだから。
柊....ふと、あいつの顔が浮かんだ。
あいつは、自分の本当の気持ちに気づいていない。
もし気づいてしまった時、その想いをどう処理すべきなのか分からなくなり暴走してしまうかもしれない。
早めに手を打たなければ、ももにまた危害が及ぶ。
ももの手を苦々しく見ながら、俺は携帯を取り、着信履歴から折り返しの電話をした。
計画を実行にうつす合図として。
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