愛の囁き

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私が目をさました時には、もうあの夜から2日も経っていた。 後から聞かされたことだが、私は高熱を出して病院に運ばれ点滴を打たれ、安静になってから彼の家に運ばれたらしい。 そう、今私が居るのは彼のベッドの上だ。 「体は大丈夫か?どこも辛くないか?」 私の頬に彼の温かい手が触れる。 それに自分の手も重ねて、大丈夫だということを告げるように微笑みながら頷いた。 キレイに包帯で巻かれた手を見ると、心がチクリと痛んだ。 「どうした?」 「いえ、何もないです。」 「また敬語に戻ってるぞ? それに、お前が敬語使う時は、大抵何かを隠している事が多い。」 「私のこと、本当に分かってるだね。」 「当然だろ?お前のことは、何でも分かるさ。」 髪を優しく撫でながら、少し誇らしげに笑う彼が、まるで少年のように見えてしまい、とても愛らしく感じてしまう。 「もも、好きだ。」 「止めてよね、そんな真顔で。」 突然、愛の言葉を発せられてもまだ病み上がりの私には刺激が強い。 「それじゃあ…愛してる」 耳のそばで彼は呟き、そして頬にキスをした。 私はもう、目をパチパチさせながら固まることしか出来なかった。 彼の愛の囁きは、私にとっては毒かもしれないと思ったことは隠しておこう。 でないと、またからかわられだろうから。
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