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「確かここら辺にあったハズだけど」
山道を走り続けて2時間が経っている。
紀之が運転するワゴン車には、紀之自身を含めた9人が乗っていた。
その中には、今向かっている心霊スポットを、
心待ちにしている者が半数、本当は行きたくないけれど、
他の者に押されて付いて来た者が半数といったところだ。
「ノリ先輩さすがっすね、この運転テク惚れ惚れするっす」
紀之をおだてているのは、髪の毛をワックスでこれでもか、
というほどツンツンに立たせている弘樹だ。
ここにいるのは、紀之とみどりを除いて全員高校生である。
みんな吹奏楽部のでの繋がりで、今も仲良くやっている。
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