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「西口までお願い。」 西日に照らされるタクシーは渋滞の中をゆっくりと進む。 緊張も孤独も感じない。 通りすぎるサラリーマンも風に揺れる木陰も、全てが私の手中で踊っているようにすら見える。 「お疲れさま、着きましたよ。」 「ありがとう。」 カツカツとヒールを鳴らし、颯爽とタクシーを降りる。
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