*  物語  …──

8/8
前へ
/15ページ
次へ
──時計塔 琥珀 「お兄さんって、泣くんだ?」 コウカサス 「……わからない。だが、涙が止まらない……」 琥珀 「ユウリア、殺したくなかったの?」 コウカサス 「父上が望んだ。俺は、父上が望むまま……動く」 琥珀 「泣いてるじゃん」 コウカサス 「お前もな」 琥珀 「泣いてなんかないし。これは、花粉が飛んでるから。…………多分……瑠璃が…………死んだ。」 コウカサス 「何故。」 琥珀 「僕は瑠璃と双子なんだ、これでも。だから解る───…。瑠璃がもういないって……けどね、瑠璃のこと誰よりも解っても、諦めなきゃいけない。瑠璃は、アイツから離れないって理解(わか)ったから、突き放さなきゃ……いけないんだ」 コウカサス 「……。」 琥珀 「ぼくも……バカだよ、瑠璃」 琥珀(M) 「瑠璃。瑠璃────  僕も君を、愛していたよ。」 小鳥 「人間って、何故愚かなんだろう?私は、なんで……地球に命を分けたんだろう……。私が作る世界は、間違えてたのかな?」 鳥 「なら、貴方が望む世界を」 小鳥 「私は、彼らの選択を否定出来ないよ。」 鳥 「ならもう一度」 小鳥 「もう一度?」 鳥 「貴方が好いた人間を、来世に届けてほしいのです。」 小鳥 「世界は変わらないよ。  ああ──…、君も愚かな天使だ。」 END
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加