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──時計塔
琥珀
「お兄さんって、泣くんだ?」
コウカサス
「……わからない。だが、涙が止まらない……」
琥珀
「ユウリア、殺したくなかったの?」
コウカサス
「父上が望んだ。俺は、父上が望むまま……動く」
琥珀
「泣いてるじゃん」
コウカサス
「お前もな」
琥珀
「泣いてなんかないし。これは、花粉が飛んでるから。…………多分……瑠璃が…………死んだ。」
コウカサス
「何故。」
琥珀
「僕は瑠璃と双子なんだ、これでも。だから解る───…。瑠璃がもういないって……けどね、瑠璃のこと誰よりも解っても、諦めなきゃいけない。瑠璃は、アイツから離れないって理解(わか)ったから、突き放さなきゃ……いけないんだ」
コウカサス
「……。」
琥珀
「ぼくも……バカだよ、瑠璃」
琥珀(M)
「瑠璃。瑠璃────
僕も君を、愛していたよ。」
小鳥
「人間って、何故愚かなんだろう?私は、なんで……地球に命を分けたんだろう……。私が作る世界は、間違えてたのかな?」
鳥
「なら、貴方が望む世界を」
小鳥
「私は、彼らの選択を否定出来ないよ。」
鳥
「ならもう一度」
小鳥
「もう一度?」
鳥
「貴方が好いた人間を、来世に届けてほしいのです。」
小鳥
「世界は変わらないよ。
ああ──…、君も愚かな天使だ。」
END
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