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初めてだったのだ。涼太の話をちゃんと聞いてくれる人は今まで誰も居なかった。女はただ涼太を見つめるだけで何も話そうとはしない。涼太が話し出すのを待っているのだろう。
「…教えてくれ……俺はこれからどうすればいい?」
もう普通に過ごすことも悪に染まり続けることも涼太には出来ない。女はカードをしまい、涼太の前に来ると座り込む。
「真面目に生きたいのなら、自白して罪を償いなさい。そうすれば未来は良い方へ向かうでしょう」
涼太は驚いた。また、普通に過ごすことが出来る。願い続けて、半ば諦めていたことでもあった。涼太の目から涙が溢れ、床に落ちていく。
「未来を変えれるのは自分だけです。今のままなら、カードが示した通りになりましょう。しかし、貴方が変われば、カードは違う物に変わります」
私が出来ることは未来を変えるためのきっかけを作ることです、と女は言う。その言葉を信じたい、未来を変えたいと涼太は思ったのだった。
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