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「ごめん、また今度ね」
席を立ち上がった葵は白いブラウスにベージュのパンツをはいていた。女子達は白けてしまったのか、わざと大きく不満の声をあげながら、食堂を去っていく。
菫は食べ終わった食器を花山さんの所へ返し、席へ戻ろうとしたが、向かい側に葵が座っていたのを見て足が止まる。
菫は幼い時から人見知りだった。両親でさえ、未だに話すことは滅多にない。戸惑いと不安が足を床に縛る。
葵は動かない菫を見て微笑んだ。その表情に偽りの感情は見られない。
「急にごめんね。何だか貴女と話がしたくて…」
菫の足はもう動けるようになっていた。そのまま、席へ座ると鞄から青い布に巻かれた物を取り出す。
布を丁寧にめくり、現れたのは積まれたタロットカード。葵にタロットカードの山を差し出し、葵が一番上のカードを取る。
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