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「ここが寮か」
朝霧恭介は第三地区にある生徒用寮の前に来ていた。
しばらくして落ち着いた蛍から寮の場所を聞いたお陰でここまでたどり着くことができた。
蛍曰く、校舎付近が第一地区。
そこから奥にいくごとに第二第三と続き、第七地区まであるらしい。
体育館も校舎も寮もすべて第三地区にあるらしい。
ちなみに。
朝霧がいた場所は特別実験室というらしく、第七地区にあるらしい。
つまり。
「四も地区跨いでやがったと。無駄に走ってしまったな」
そう言って寮内へと足を踏み入れる。
今、寮にいる時点で今日は学園に行くつもりはなくなったのだろう。
「うっわ。こりゃ合わねえな」
入った瞬間に眉をひそめる朝霧。
寮の中は豪華絢爛という言葉が似合う内装だった。
天井にはシャデリア。
壁には高そうな絵。
床は朝霧の姿がうっすらとうつるほど磨かれていた。
「こーゆーとこってバカ騒ぎできねえから嫌いなんだよな。なんか壊したら弁償できねえし」
ため息を吐き、周囲を軽く見渡しながら歩いていく。
方舟学園は全寮制である。
入学に必要な書類と共に送られてきた資料の中に部屋番号が書いてあったはずだ。
確か、
「213だったよな」
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