プロローグ

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入学式は速攻で終わった。 校長であるシワだらけのスーツ着たおっさんがちゃちゃっと話し終わったからだろう。 入学生代表と在校生代表が八割占めているほどなのだから。 「てめえら! こいつ見てクラス確認しやがれ!!」 高らかに叫ぶ女がいた。 地面すれすれの白いマント(?)に身を包み、腰まである黒のサイドテールが目立つ女だった。 制服でないから教師なのだろう。 女教師は数個のグチャグチャに丸まっていた紙を広げ、画ビョウで壁に張りつけていった。 そこにはクラスと名前が書かれていた。 (なんで丸めてるわけ? ってか、今さらクラス発表?) 「そういや、適当に座れとか言われた時、なんか忘れてるようなって思ったんだよな」 人が少なくなってから見に行こう、と思い座っていた少年は思い出したように呟く。 「あいつ…………俺を壁に押しつけた女じゃねえか」
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