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 大事な話、という彼の言葉に少し怖くなった。別れ?結婚?どちらにしても、私は受け入れられるだろうか……。  いいタイミングで鳴り出した携帯電話。彼にとっては最悪のタイミングか。 「ちょっと、ごめんなさい」と言って立ち上がった私は、トイレの建物の方に向かいながら電話に出た。 「もしもし」 ―――――――  電話は保育園からだった。息子が熱を出したと……。ディスプレイを見て直ぐに嫌な予感はした。正直、またか……と思ってしまうほど頻繁にあることだ。 仕事が休みの土曜日。そんな日に子供を園に預けて彼と会っている。  彼には、離婚歴も子供がいることも言ってない。本気だからこそ、愛してるからこそ言えなかった。  私は最低な母親であり、最低な女だ。
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