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「なんか、凄い汗だね。飲み物買ってくるね。ちょっと落ち着こ?」  大丈夫だから、と言う彼に自分の掌を見せて、「私も……」と誤魔化した。ずるい私は核心部分を聞くことが出来ずに逃げ出した。  自動販売機まではすぐ。さっき電話をかけた公衆トイレの傍にあるのを見ていたから迷いようもない。  ちょっとでも悪足掻きしよう。意味はない時間潰し。小さな建物の女を象ったマークが掲げられているスペースへと歩を進める。  広い鏡に写るのは、酷い顔の女。決して美人だと思い上がったことはないけれど……。そうよね、これが私。三十路前の年齢を考慮しても、ちっとも魅力的なところなんてない。  内面が滲み出るのは、本当だ。醜い見栄だけはった成長しきれない大人。
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