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「あのっ!実は今日は大事な話があって……。ここで伝えるのは、場違いかとも思ったんだけど……」
思い出の場所だから、と続くはずだった僕の言葉を遮ったのは、彼女の携帯電話の着信音。控えめな容姿と性格にはあまり似合わない、激しいロックの着メロだった。確か、日曜日の早朝にやっている、お決まりのヒーローものの曲だったような気がする。
僕の顔を見つめていた彼女は一瞬ビクッと肩を震わせた後、
「ちょっと、ごめんなさい」
と言って二人で座るベンチから席をたった。
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