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「あの……、さっきの話の続きなんだけど……」  僕は、ジャケットのポケットの中の小箱を右手で握り締めながら、最大限の勇気を再び奮い起こして言った。 「うん、何か大事な話なんだよね……」 「ごめんね。僕、こんなだからさ、うまく伝わるように言葉選べないんだけど……」  言いながら、僕の体は体温を奪われているようだった。彼女の笑みは消え、明らかに狼狽している。  僕が言おうとしていることに気付いているのか、その困り果てた反応はそうだからなのか……?
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