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不快ながら最悪に最強な黒族。
まだ黒族特有の力すら見ていない。
不甲斐ないと思ったことすらあったが、各国の軍は黒族相手に奮戦していたのだと今更ながら知った。
もっと訓練しておけばよかった。
ロット、イゼ、ミース、それに愁を巻き込むことになるくらいなら馬鹿な真似をしなければよかった。
叫び声をあげて後悔したいことは幾つもあったが、少女に誓いを立てたことだけは後悔しなかった。
それをしなければそもそもここにはいないのだから。
(全て遅かったな)
笑うアリオの掌が腹部に触れる。
そこに彼の力が集中するのがわかる。
(皆――生き延びろ。
色々とありがとう)
不思議なほど落ち着いた心地で、体が粉々に砕け散っていくのを感じた。
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