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赤には共闘を持ちかけられた。
地球観察が決定し現在休戦状態の黒国に攻め入ろうと誘われた。
「それは赤王の意思と受け取ってよろしいか」そう尋ねると口ごもった。
単なる奇襲で勝てるとは思わない。
青国は地球が侵略に値すると答えを出していた。
まだ来たばかりの頃で結論は性急だ。
現在の青国は国力が弱く、黒が地球侵略を提案しなければ今頃は滅んでいたかもしれないほどだ。
侵略が決定されなければ黒は間違いなく青を攻める。
そうなればもう滅びたようなものだ。
圧力がなくとも黒の意見には逆らえない。
人間の能力はともかく世界が別である以上放っておいても利は無いというのが理由らしい。
予想はしていたが実際耳にしてみると衝撃だった。
こんなに面白い世界を壊し、自分達のつまらない文化を持ち込もうと言うのか。
文明に関してはこちらの世界の方が鬼界よりもずっと発展している。
「潰してしまっていいものかな。
勿体ないと思うんだが」
ハムエッグを分断しながら言うと、ガラスのローテーブルの向かいで新聞を広げていたシャスカが上の空で答えた。
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