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「そうですねえ。
放っておいても駄目になるんじゃないかって思うこともありますけど。
ホラ、こんなですし」
記事の一つを指されたが、この世界の文字は読めない。
写真を見ると小さな弾丸で標的を粉砕できる凶悪な武器を構えた人間が腹ばいになっていた。
戦争だ。
「……侵略することになったとして、勝てるのか?」
「白王の御子息ともあろう方がなんということを。
誓いの力さえあれば駆逐できない敵などありません」
赤・青・黄・白・黒。
それぞれ特殊な能力を持つ中、白族が持つのは誓いの力。
一生にたった一度、たった一度だけたてられる誓いを守る為なら通常とは比較にならない力を発揮する。
「うつけが。
それならなぜ黒に勝てない。
それに残念ながら白王の末息子様は御自分の誓いを忘れてらっしゃってね。
力が出せないんですよ」
皮肉満載で言うがシャスカはまるで気にした様子もない。
「だからそれを見つけに来たんでしょう? なのにさぼってばかりじゃないですか」
言い返されてしまった。
反論をなくし恨みを込めて睨む。
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