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過去に一度、それまで世話係だったシャスカが現在の任務を負い地球に旅立った翌日、見張りの目をかいくぐりシャスカを追って地球に来たことがある。
次元の穴を通って地球に着いた途端見たことのない新しい世界に当初の目的を忘れてはしゃいだ。
そうして毎度も夢で見る通り少女を助け、遊び、何かを誓ってしまったはずなのだがその内容がどうしても思い出せない。
その少女と再会し、何を誓ったのか解き明かす。
白族はもしも誓いが果たされなかった場合弱体化してしまう。
誓いの内容がわからないのでは何をすれば守ったことになるか、いつ破られるかすらわからない。
重要な誓いを立てることが白族にとって誇りにも繋がるので、誓いを覚えていないということは恥辱でしかない。
「ロットさんからメールが来てましたよ。
今日昼頃ここへ来るそうです。
こちらが王子だから気を使ってくれているようですね」
「なにか文句があるのか。
余も好きで王子をやっているわけじゃない」
ロットというのは赤国から派遣された陪審員だ。
また共闘の説得かと思うと憂鬱だが、たまには仕事をしないと立つ瀬がない。
顔を合わせたくないが出かけるのも億劫で断りを入れるには「メール」というものの仕組みがわからない。
「今日はちょっと僕も昼頃用事がありますので出かけますが、もし万が一あり得ないとは思うのですが外出なさる際には戸締りの方をお願いしますね」
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