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「余に客が来るのがわかっていて出かけるか。
昼頃の約束ならもうすぐだろ」
「そうでした。
朝ごはんを食べている人がいるのでつい失念を」
「……隠し事があるなら大人しく白状しろ」
秘密を抱えていると嫌味を連発する癖は直っていないらしい。
シャスカはしばらく沈黙した後、陰鬱に呟いた。
「ロットさんの用件が、なにやら不穏なんです」
「そりゃあ戦争の相談だからな。
不穏だろうさ」
「そうじゃないんです。
別件で……詳しくは聞いておりませんので内容は直接お聞きください。
陪審員間の問題に立ち入ることはできませんから」
シャスカの表情は暗い。
その理由は想像できそうもなかった。
ロットとは挨拶と戦争の相談以外の会話をしたことがほとんどない。
こちらに来てからは特に。
程なくしてシャスカは出かけていった。
珍しくめかしこんで行ったところを見るとどうやら仕事ではないらしい。
シャスカには人間の恋人がいる。
もう数年の付き合いらしく関係もかなり深そうだ。
今回地球に来てシャスカと再会をした後すぐに紹介された。
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