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鬼の眼から見ても魅力的な雌型で、突然出現した恋人の同居人に驚いていた。
色々と人あたりよく接してくれているがやはり戸惑っているように感じる。
頻繁に顔を合わせる訳ではないが半年経った今ぎこちなさはほとんどない。
食事も済んだので再びベッドで横になっているとチャイムが鳴った。
鳴る前から鬼独特の気配が近づいてくるのはわかっていたがそれを聞いてから玄関に出向く。
波動から察して赤鬼、ロットだ。
鍵を開け迎え入れると、赤茶けたスキンヘッドが前見た時よりも更に深刻な面持ちでうつむいていた。
赤族が今回送り出した陪審員、ロット。
年は同じくらいなのでこちらでは彼も学生に見えるはずだ。
背格好では負けていないが彼には攻撃的な肉付きが有り髪が無い。
「よく来てくれた。
しかし赤族と言うのはそのような辛気臭い面構えで人を訪ねる流儀があるのか? もしそうであったなら、余の勉強不足ということになるが」
「失礼致しました。
殿下におかれましては益々ご機嫌麗しく――」
「よさんか。
余が礼節を好かんのは前回教えただろう。
構わんから楽にせい。
ただし、共闘の件なら断るぞ」
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