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するとロットはしばらく考えるような素振りをした後おもむろに背を向けて今閉じたばかりのドアを開けた。
「ちょっと待て。
お前という奴は本当にそれ以外に話題がないのか?」
「しかし突き詰めて考えますとその結論に至ることは明白ですので」
「卑屈な奴だな。
仕方ない、話だけでも聞こう。
通れ」
リビングに案内しテーブルを挟んであぐらをかく。
テーブルには先程片付けた朝食の皿が片付いていないままだが、気を使わなければならないような相手でもないので放っておいてもいいだろう。
「共存はできんのです。
早急に黒を打倒しなければ取り返しのつかないことになります」
過激な意見は言わぬ聞かぬが長生きのコツだと父が言っていたのを思い出した。
しかしこう見据えられては無視できない。
「黒はそう易々と落ちん。
しかしえらく黒を嫌うな。
何か因縁でも?」
「黒に恨みを抱かない者など、黒以外にはありえません」
「それはまあそうかもしれないが」
確かに同意見だ。
黒は戦場において活躍し過ぎる。
一つの民族を滅ぼした記録も残されているくらいだ。
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