プロローグ

3/8
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/232ページ
 四ヶ国が協力し合えば戦争になったとしても勝てる。 しかし相手はなにしろ黒。 戦い続ける最強の国。 生半可な被害では済まないだろう。 誰が、どれだけ、どこに、どんな指令を与え、どれだけの兵を出す? 探り合いが始まった時点でそこに協調はなかった。 荒れるとわかっていて自分の領地を戦地にしたくはない。 国民を危機に見舞わせたくはない。 兵に危険な任務を負わせたくはない。  話し合いが白紙に戻ろうとした時、逆に黒の代表が提案した。 争いをやめるならば共に他世界を制圧しよう。  皆青ざめた。 他世界へ進出する方法は確かにある。 それは次元の歪み。 暗く冷たい世界から別の世界へと移動する唯一の抜け穴。  彼らの生命力は強い、暗く冷たい大地でも不自由はない程に。 他の世界で一つだけ充分に生活が可能な世界があることは、過去何度か送り込まれた諜報部隊が証明している。 更に彼らに比べればその世界の住人は弱い。 争えば戦いにならない程に。 侵略など子供を転ばせるようなもの。
/232ページ

最初のコメントを投稿しよう!