プロローグ

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 反対する声が上がった。 が、それは通らなかった。 提案が受け入れられなければ黒は戦いを続けるだけ。 まずどの国が攻められ、滅びることになったとしても明日は我が身だ。  会議はしばらく沈黙が続き、黒が強引に意見を貫く形で終着を見る。 四カ国も食い下がり、進出に幾つかの条件を付けるまでに健闘した。 まず調査を任務とする先遣隊を送り、侵略すべきか、侵略するに値する世界かを判断させる。  標的に選ばれてしまった世界は人間の住む惑星、地球。 被害者となる彼の地に住む者の言葉を借りるなら、加害者達を現すには角持つ異形「鬼」という言葉が似合いだった。
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