序章

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何処までも続く空に波を作りながら進む船があった 表層部に町や自然公園を乗せた準バハムート級航空都市艦"武蔵"は中央に前後二艦、左右に前後三艦で構成されている 右舷一番艦"品川" 右舷二番艦"多摩" 右舷三番艦"高尾" 中央前艦 "武蔵野" 中央後艦 "奥多摩" 左舷一番艦"浅草" 左舷二番艦"村山" 左舷三番艦"青梅" 奥多摩の艦首側、表層部の墓地から動揺の歌詞を奏でる声がしていた 通りませ 通りませ 行かば 何処か細道なれば天神元へと 至る細道 御意見御無用 通れぬとても この子の十の 御祝いに 両のお札を納めに参ず 行きはよいなぎ 帰りはこわき 我が中こわきの 通しかな 歌が大気に消えゆくと同時に時報の鐘が響く 『市民の皆様、準バハムート級航空都市艦・武蔵が武蔵アリアダスト教導院の鐘で朝八時半をお知らせします。 本艦は現在サガルマータ回廊を抜けて南西へ航行、午後に主港である極東代表国三河へと入港いたします。 ご協力御願い致します―以上。』 音と声が響くのは中央後艦奥多摩の武蔵アリアダスト教導院からだ そして時報のチャイムが終了し代わりに橋の上から女の声が産まれた 「はい注目!これより体育の授業を始めまーす!」 梅組の担 任オリオトライは橋の上の生徒達にこう言った 「ルールは簡単よいい?先生、これから品川の先にあるヤクザ事務所に殴り込みに行くから」 教師の言葉に生徒達から―え? っと言う声が上がったが女教師は無視した笑顔を作る 「全員ついてくるように遅れたら教室掃除でもしてもらおっかな―ハイ返事は?Jud?」 「Jud」 同時に手が上がる 会計のシロジロが 「教師オリオトライ、体育とチンピラとどのような関係が?金ですか?」 会計補佐のハイディがシロジロに 「ほらシロくん先生最近地上げで最下層行になってビール飲んで暴れて壁割って教員課にマジ叱られたから」 「中盤以降は全部自分のせいのようだが報復ですか?」 「報復じゃないわよー。ただ腹立ったんで仕返すだけだから」 「同じだよ!!」 皆が突っ込むが、オリオトライは気にする風もない 「休んでるの、誰かいる?ミリアム・ポークウと東は仕方ないとして他は―」 問いに周囲がそれぞれの顔を見渡した すると有翼の金髪少女のマルゴット・ナイトが 「ナイちゃん見る限りセージュンとソーチョーがいないかなあ」 その声に黒翼の少女マルガ・ナルゼが
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