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その異常さは俺にも
影響を与えたようだ。
本当なら逃げるはずなのに
逆に立ち向かいたい衝動に
駆られた。
……兵士、いや化け物は
俺を見据え、口から血を
滴らせながら立ち上がった。
もう研究員は動いていない。
俺に向かってくる化け物を
見て構える。
思っていたよりもゆっくりと
した動きだ。
俺は自分から化け物へ
迫った。
一撃。
全力で振り切った拳は
化け物の頬にヒットする。
よろめき倒れる化け物に
俺は追い討ちをかける。
仰向けに倒れた化け物の
腹を足で踏み付けて
押さえ付ける。
そこで兵士が装備している
武器に目をつけた。
兵士の腰に装着されている
ナイフに手を伸ばし、
サッと抜き取る。
そして大きく振りかぶり
口を大きく開ける化け物の
頭に向かって振り下ろした。
どす黒い血が服を少し
赤く染めたが、
俺は気にせず、ナイフを抜いた。
化け物もどうやら頭を
やられれば動けなくなるらしい。
そしてすぐに
ナイフを兵士の服で拭き、
ナイフを入れるホルダーを
奪って自分が装着した。
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