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唯一の脱出口の扉は
固く閉まっている。
扉の周りには
パスワードを打つような
パネルどころか、
鍵穴もない。
そしてドアノブすら
ないのだ。
完全自動ドアというわけか。
誰かが入ってきたら
そのタイミングで
出なければ脱出できない。
時計がないため
わからないが、おそらく
兵士がそろそろ来る頃だ。
そのタイミングに
かけるか……
俺は床に座った。
今の服装は白の半ズボンに
白のTシャツだ。
他に何もない。
何でもいいから武器と
なるものが欲しかった。
あるのは己の拳のみ。
もう一度扉を睨み、
立ち上がった。
ガチャ……
音が鳴り、扉がゆっくりと
横にスライドする。
俺は瞬時に扉に駆ける。
銃を構えられれば
どうしようもない。
不意をつくしかない。
扉が人一人分開いた時、
それは部屋に入ってきた。
俺は思わず止まってしまった。
入ってきた、というのは
間違いだったかもしれない。
倒れ込んできた。
これが正しい。
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