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悲鳴とともに白衣を着た
研究員の一人が兵士に
馬乗りにされている。
兵士の方はその研究員に
対して顔を近づけようと
している。
研究員は必死に手で
兵士の頭を抑え、
近づけないように
している。
どちらも男だ。
このよくわからない光景を
俺は呆然と見ていた。
脱出のチャンスといえば
チャンスなのだが、
その異質さに俺は
動けなかった。
研究員の腕の力が
弱ってきたのか、
兵士の顔がさらに
研究員に近づく。
研究員は言葉にならない
言葉を叫んで、抵抗するが
あれでは時間の問題である。
いったい何が起きるのか、
俺はただその状況を見た。
深紅の物が飛び散ったのは
そう間もないことだった。
みるみるうちに白衣が
赤く染まる。
兵士は弱った兵士の
首に顔を埋めているが、
状況から察するに
噛み付いている。
それも致命傷レベルで。
数秒後、嫌な音とともに
兵士が顔を上げた。
真っ赤に染まった口、
顔に飛び散った赤い血、
定まっていない目。
全てが異常だった。
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