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「だから、長沼には関係ないってば」
こっちも不機嫌に答えてやった。
自分に彼女がいないから、私なんかに先越されてたら屈辱的なんだろうな……。
「真帆、ちゃんと答えろよ」
私の腕を引いて、目を合わせて問う長沼。
「何でよ?」
こんな時は、ちゃんと名前で呼べんじゃん。
「答えろよ」
「は?何で長沼に言わなきゃなんないの?」
「そんなの決まってるだろ?」
急に視界が暗くなって、超至近距離に長沼の顔。
唇に触れる感触。
「そんなの、お前が好きだからに決まってるだろー。」
離れた唇から発せられた言葉がぼんやり聞こえて来た。
。
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