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「えー…だって 樹、豊崎から借りたいんだろ?」 「そんな訳ないじゃん。他に頼める相手がいないだけでしょ? あいつ性格悪いからっ!」 「何だよ アホ子、俺を無視して涼と話してんなよ」 戸口から呼ぶのを諦めたのか、いつの間にか私の目の前に来ていたバカ沼こと長沼 樹。 「うるさい、バカ沼っ!私はアホじゃないっ、真帆だって何回言ったら覚えんのっ?!」 「お前だって、俺の事、バカ沼って言うじゃん」 悪びれもせず言い切る長沼。 「アンタが、人をアホ呼ばわりするからでしょー?! 教科書なら工藤くんに借りればいいじゃん、友達なんでしょっ?」 長沼から工藤くんに視線を移すと、ニヤニヤ顔の工藤くんが見えた。
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