いじわる王子の甘い罠

２

「お待たせー」

気持ちを切り替えて千春に声をかける。

「メロンパンあった？」

「うん。あったよー。
後、焼きそばパンも」
買って来たパンとココアとイチゴミルクを見せて、千春に頼まれていたイチゴミルクを差し出す。

「ありがとー。んじゃ、食べよっ！」

千春と昨日のドラマの話で盛り上がる。

本当は、さっきから心に重たい何かがのしかかっているのだけれど、千春に余計な心配をかけたくなかったから、ちょっとだけ無理してた。

長沼の冗談に見事にハマってしまったバカな私に気付かれたく無かったのかも知れないけれど……。

。