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「いやいや、本当に大丈夫だから。 それに、長沼には『送ってかなきゃいけない子』が、いるんでしょ?」 「え?」 「あ……。」 さっき、立ち聞きしてしまった事が、思わず口から飛び出してしまった。 「ごめっ……、さっき、購買行った帰りに話、聞いちゃって……」 バツが悪くて俯いて言えば 「あーそんな事、別に気にしなくていいよ。 だって、それマホ子の事だし。」 え? 私? びっくりして顔を上げれば、長沼は苦笑い。 「好きな子が、調子悪いって言ってたら、心配で送ってあげたくなるの普通じゃない?」 さらりと言ってのける長沼の優しい眼差しに、顔が暑くなる。 。
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