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授業が終わると、長沼に会わない様に、工藤くんに、教科書を受け取ってもらうように頼んで教室を出た。
別に言い合いをしたい訳じゃない。
どちらかと言えば、私は平和主義なのだ。
だけど、人の顔を見れば、あの態度な長沼とはいつも喧嘩腰になってしまうのが嫌だった。
時間ギリギリで教室に戻ると、教室の前に長沼が立っていた。
「はい、ありがとね」
貸していた教科書をポンッと私の頭に乗せると、長沼は自分の教室に戻って行った。
席へ着くと
「あ、ちゃんと返してもらったんだね、それ。」
工藤くんが笑いながら言った。
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