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そして、ゼウスは続けた。
『貴様のこの世で1番大事な人を殺したのは人間じゃない。』
「一体どぉいう事だ。」
俺はあの怪物は人間じゃないとは思っていた。
だが、その怪物はいったいなんなのかを知りたいのだが…
『知りたければ起き上がれ。ついでに力もくれてやる。』
すぐにでも教えて欲しい俺だが、神様は神様なりの考えがあるんだろうと思いつつも、やはりその力というのはどんなものかも気になる。
やはり今の俺にはすぐには答えは出ない。
「そうか、わかった。だが少し考えさせろ。」
そして何かを悟ったゼウスは言った。
『良いだろう。私は待っている。いつでも来い。もし力が欲しければとあるオフィスビルの駐車場の地下に来い。道標は貴様の頭の中に焼き付ける』
そしてゼウスは俺の頭の中に待ち合わせ場所を焼き付けた。
「そうか。だいたい分かった。」
『そこに私の使者がいる』
ゼウスはそう言い残し光は消え去り、俺は再び暗闇の中に目を閉じた。
そして、俺は目を開いた。
見上げると白い天井、消毒液の匂いの部屋。
そして、起き上がると少し腹部が痛む。
そして柔らかい枕に優しく包み込む様に乗せられた布団。
俺の目の前で座っている女の子がいる。
その姿の女の子は俺にとってはもの凄く見慣れた女の子…
優梨だ…
俺は重い体を歩み寄り思いっきり抱き寄せた。
「優梨…無事だったのか!良かった…本当に無事で…」
そして優梨は答えた。
「大翔…私…私……お姉ちゃんじゃないよ…」
「え?…」
俺は耳を疑った…
「私…お姉ちゃんじゃないよ…大翔……私は妹の優菜だよ…大翔…」
俺は手を解いて答えた。
「おいおい嘘だろ?優梨?こんな時に…こんな時に冗談は辞めろよ優梨…」
優菜は涙を流しながら答えた。
「嘘じゃないよ大翔…確かに私はお姉ちゃんと似てるけど…よく見て大翔私の目の下に涙ボクロがあるでしょ?」
優菜は右の目の下の涙ボクロを人差し指で差した。
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