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「……」
銀次は顎に手を当てて考え込む。
「手っ取り早くゲームを終わらせるためには、リーダーを殺害しグループを吸収する事」
「札を破壊するだけじゃ駄目なんスか?」
「それも可能だとは思いますね。ただ……うちの『ボス』は望んでいないようで」
「『戦争』を望んでいるんです」
男は笑みを浮かべてそう告げた。
「単純思想ですよ。仲間以外は皆殺し、その思考しかない」
「頬杖をついて呑気に話を聞いてる場合でもないですよ。すぐに増援が来る、当然の話ですよね?」
「なるほど……たかが30人程度で戦争、ソイツも大した馬鹿ッスよ」
「今ならまだチャンスがある。俺達『西校舎』の仲間になるんですよ!」
「敵に捕まったなんて知られたら、自分の信用が大幅に落ちるからッスか?」
「そこまでわかってるなら話が早い!いいっからとっとと、この縄をほどけ!」
廊下の向こう側から『足音』が鳴り響き、優勢と判断した男の口調が急変する。
「騙すつもりよ。捕虜にされるのは目に見えてる……だから逃げて!」
「逃げ……馬鹿!……余計な事を」
男性は大きく口を開け
「おい!ここだ!」
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