初日目

7/13
142人が本棚に入れています
本棚に追加
/630ページ
「……」 銀次は顎に手を当てて考え込む。 「手っ取り早くゲームを終わらせるためには、リーダーを殺害しグループを吸収する事」 「札を破壊するだけじゃ駄目なんスか?」 「それも可能だとは思いますね。ただ……うちの『ボス』は望んでいないようで」 「『戦争』を望んでいるんです」 男は笑みを浮かべてそう告げた。 「単純思想ですよ。仲間以外は皆殺し、その思考しかない」 「頬杖をついて呑気に話を聞いてる場合でもないですよ。すぐに増援が来る、当然の話ですよね?」 「なるほど……たかが30人程度で戦争、ソイツも大した馬鹿ッスよ」 「今ならまだチャンスがある。俺達『西校舎』の仲間になるんですよ!」 「敵に捕まったなんて知られたら、自分の信用が大幅に落ちるからッスか?」 「そこまでわかってるなら話が早い!いいっからとっとと、この縄をほどけ!」 廊下の向こう側から『足音』が鳴り響き、優勢と判断した男の口調が急変する。 「騙すつもりよ。捕虜にされるのは目に見えてる……だから逃げて!」 「逃げ……馬鹿!……余計な事を」 男性は大きく口を開け 「おい!ここだ!」
/630ページ

最初のコメントを投稿しよう!