142人が本棚に入れています
本棚に追加
/630ページ
「ぐ……」
『足音』が歩行から走行になる。
「敵に捕まった!早く!ゴッ」
銀次は無表情で男の頭を殴った。
「……」
「もう遅いわ!奴等来るわよ!」
「重火器を持って持ってねぇんなら、そんなに対処は難しくなさそうなんスけど」
「いや、持ってるわよ」
「……何?」
銀次は眉を潜める。
「残虐なる貴婦人」
「『西校舎』ではリーダーに匹敵する程の過激な人物。黒い服に帽子……まさに見た目は貴婦人なんだけど」
「腕っぷしはまるで男、数多の重火器を所持してて……中には」
「ロケットランチャーさえ」
「……はぁ?」
流石の銀次も眉を潜めた。
「婦人。教室から声が聞こえました、敵の罠かもしれませんが」
「知らないわよ。殺してあげなさい」
暴徒達を束ねるのは、身長200cm近くの漆黒のドレスを着た大柄女性。
「戸惑うならアナタ達も『主役』になってもらうわよ。いつも口を酸っぱくして延べてるわよね」
「我は『狂気』を見たい」
「何のために、何千万も貢いで人体改造したと思っているのかしら?大好きなのよ」
「ネットに流出したスナッフ(殺戮)ビデオを見たの。今のご時世にはそんなもの掃いて捨てる程存在するけど」
「最高の動画(ショー)を目の当たりにしたのよ」
「拳で人の頭を砕く巨漢」
「物理的に人を破壊するカタルシス。いいわぁ……濡れてきちゃう」
最初のコメントを投稿しよう!