初日目

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「ぐ……」 『足音』が歩行から走行になる。 「敵に捕まった!早く!ゴッ」 銀次は無表情で男の頭を殴った。 「……」 「もう遅いわ!奴等来るわよ!」 「重火器を持って持ってねぇんなら、そんなに対処は難しくなさそうなんスけど」 「いや、持ってるわよ」 「……何?」 銀次は眉を潜める。 「残虐なる貴婦人」 「『西校舎』ではリーダーに匹敵する程の過激な人物。黒い服に帽子……まさに見た目は貴婦人なんだけど」 「腕っぷしはまるで男、数多の重火器を所持してて……中には」 「ロケットランチャーさえ」 「……はぁ?」 流石の銀次も眉を潜めた。 「婦人。教室から声が聞こえました、敵の罠かもしれませんが」 「知らないわよ。殺してあげなさい」 暴徒達を束ねるのは、身長200cm近くの漆黒のドレスを着た大柄女性。 「戸惑うならアナタ達も『主役』になってもらうわよ。いつも口を酸っぱくして延べてるわよね」 「我は『狂気』を見たい」 「何のために、何千万も貢いで人体改造したと思っているのかしら?大好きなのよ」 「ネットに流出したスナッフ(殺戮)ビデオを見たの。今のご時世にはそんなもの掃いて捨てる程存在するけど」 「最高の動画(ショー)を目の当たりにしたのよ」 「拳で人の頭を砕く巨漢」 「物理的に人を破壊するカタルシス。いいわぁ……濡れてきちゃう」
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