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翌日、義人は帰って来なかった。
その翌日、そのまた翌日も…
気づけば、しばらくの時が経ち、義人は行方不明者として、島の人々に知れ渡った。
そして僕は海に出た。なんの意味も無く、ただ海に出た。
毎日、毎日、朝に出て、夕暮れに帰ってくる。夕飯は、スーパーで安売りしているあさりで、昔の誰かさんみたいな生活をおくっていた。
そんな毎日が続き、ある日、ひとりの少年が僕にこう聞いた。
「何故、毎日海に出るの?何も捕ってきてないのに」
僕はこう答えた。
「海が好きだからさ」
そして僕は今日も海に出る
完。
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