電車の子

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「悠!!! 何そのクマ~」 ―――るせ~!!! 「え? シカト?」  姉貴はほっておこう。  寝坊はしなかったが高鳴る胸のせいで中々寝付けなくて寝不足。  俺は新しい制服に身を包み、家をでた。  高校は電車に乗り乗り換えて向かわなければならない。 【~行きが2つ前の駅を発車しました】  ホームのデジタル掲示板が告げる。  だけど俺は階段を下りた直ぐ近くのベンチへと向かい  膝に肘を付いて前屈みで腰掛け、眠い目を擦る。  ふと階段の方へ目をやる ―――同じ制服だ…。  同じ制服を着た女の子が階段の直ぐそばに立って電車を来るのを俺同様に待っている。
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