黒の招待状

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---神谷 梓--- 「ふぅ……終わった」 袖を捲っていた襷を外し、月に向かって呟いた。 夕餉の片付けは、量が多過ぎて大変。 皆さん、超特盛りを超えた量食べるから、まず夕餉の準備からが大変だし。 それに人数多いから、夕餉の後片付けも面倒。 夕餉が終わった直後は、それはそれは富士山すらも越せるのではないかと言うような量の食器が積み上げられている。 見る度に、やる気が失せてしまう。 「お疲れ様、梓ちゃん」 隣で手を拭いているのは、女中先輩の亜優さん。 とってもいい人なの。 「お膳の片付けは私がやるから、貴女はさっさと寝てしまいなさい」 「え……いいんですか?」
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