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話し出そうとしても、どうしても彼の美貌に目が行ってしまって、会話どころじゃない。
「……神谷 梓だな?」
「は……ふぇっ!?」
急に、青年が(やっと)口を開いた。
しかも、私の名前を……。
「神谷 梓だな?」
「えっ……あ、はい……」
首のみを捻る体勢から、身体全体を私に向ける体勢へと転換した。
「こんな所で何をやってる?
丑三つ時に来いと言っただろう」
「え……だって、場所……」
「場所が何だ」
「場所が……書いてないから……」
「は?
見せてみろ」
「え?」
「手紙、あるだろ。
見せろ」
「はっ……はい……」
手紙を青年に差し出す。
「……」
手紙にサッと目を通し、青年は舌打ちをした。
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