黒の招待状

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---神谷 梓--- 「う~……んっ。 い~い天気♪」 今日は冷たい木枯らしに快晴の空。 所謂、秋晴れ。 落ち葉が大量に舞っているから、ここ新撰組屯所の前の掃除はいつもよりも大変そう。 「おーい、梓ぁー!」 「あっ、藤堂組長」 巡察に出ていた八番隊が、帰って来たよう。 「おい、いつまでそんな他人行儀な呼び方してるんだよ! 俺の事は、平助でいいって!」 「でも、藤堂組長は幹部ですし。 私なんて、ただの女中なのに……」 「全く、梓はそうやって遠慮ばっか……」 膨れる藤堂組長を見て、私はクスクスと笑っていた。 「そうそう! 道中、梓宛に手紙を預かってたんだった!」
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