マニアックス 夏休み

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ーいつもと変わらない朝 シュンは キリの為に朝食を用意していた。 もう 夏休みも あと残り2日で 学校の夏休みイベントは 全て無事に終了した。 色々な諸事情の為、他のイベントのエピソードは、割愛させてもらう。 キリは 結局 ずっと 家に居た。 と、いうよりは、シュンが居させたのだ。 半ば強制的にー キリ本人は 事あるごとに自宅に帰りたがる。 何故かと 問い詰めると曖昧な答えしかしない。 一緒に行くと言うと それも拒否する始末なのである。 何か やましい事でもあるのでは無いか? それとも 自分に愛想を尽かしてしまったのだろうか? などと 最近は グルグルと そんな事ばかり考えている。 フライパンの目玉焼きが良い頃合いになった。 シュンは 火を止めフライパンにフタをした。 その間に サラダを作り オレンジジュースをグラスに入れて ヨーグルトにブルーベリーのジャムを落とす。 パンを カゴに飾り付けて テーブルに置く。 フライパンから 目玉焼きを取り分ける。 完璧な朝食が出来上がった。 パンから 手作りなのが秋庭流である。 キリは この手作りパンが 大好きなのだ。 いやいやー 俺…毎日 何が嬉しくて ヤツに 飯なんか作ってんだろ? 本当は 気付いているのだが シュンの場合は認めるまでに時間がかかるのだ。 ふぅ…と ため息混じりに 仕方が無いから 起こしに行くか…のような足取りで2階へ向かう。 自分の部屋のドアを開けると キリは ちょうど着替えている最中だった。 「シュン おはよ。すぐ 着替えてー」 シュンは キリの言葉を遮るように ドアをすぐに閉めた。
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