マニアックス 二学期

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「おや?新入生かな?これに びっくりしちゃったんだね?おじさんが 作ったんだよ~。すごいでしょ?ああ…言っておくけど おじさん 霊感強いから 困った事があったら いつでも 用務室に おいでね」 箱の脇から ひょこっと現れたのは 小さなおじさんだった。 はっきり言って シュンちゃんと身長 変わん無い。 「地獄便って…。森下くんは平気なんですか?」 「ん?ああ 森下くんは 気にも留めてないよ?あの子はね 美人なのに 気持ちが良いくらいに男なんだよ」 この おじさん…頭 おかしいのかな? ここは 男子校だよな。 男しか存在しない ある意味 異空間だよな。 「内緒だよ?おじさんはね…森下くんが 大好きでね…秋庭くんに取られたけどね…。でも きっと 大人の愛を いつか理解してくれると願って止まないのさ…」 「はあ…」 最後だけ ものすごい 何かに 成り切ってたけど こいつも 中々の変態だって事は分かった。 「じゃあ 失礼します」 まともに 相手するだけ時間の無駄だ。 綾人に バカと変態は相手にしてはならない…と 言われている。 奴らに 巻き込まれたら こちらの精神状態が犯されてしまうからだ。 小さなおじさんを 冷ややかな目で(さげす)みヒカルは フッと薄く笑った。 「ああ…今の君の目…すごく…イイ!」 プリーズ! ワンモア・プリーズ!と 背後から叫ばれたが もう相手には ない。
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