マニアックス 一学期

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「うん…」 何だか 拍子抜けだ。 早乙女会長から聞いていたのも そうだけど 何だか すごく シュンが しおらしくて 調子が狂う。 さっきから ずっと 俯いたまま 話しているし けど いつものツンデレは無くて ただ 素直に大人しいだけのシュンー 「あのさ…お前の話し… それで終わり?」 シュンが やっと 顔を上げた。 「一応は…」 と 答えると シュンは 歩みを止めた。 「なら 俺が話しても良いの?」 俺も歩みを止めて シュンに向き合った。 「良いよ。何…?」 シュンは 俺に 何を言いたいのだろう。 やっぱり 嫌いとか?付き纏うなとか? それだったら 仕方ないよな。 ここは 諦めが肝心だから。 「一度しか言わないから よく聞けよな」 シュンは 珍しく 真っすぐに 俺の目を見ている。 「分かった」 俺が 頷くと シュンは ゴクリと唾を飲み込み 制服の裾をギュッと握り締めた。 「お、俺は お前が 好きなんだ!ばーかっ!」 シュン…今 なんて? 「シュン…その台詞…もう一度、聞きたいよ。聞かせて…」 顔も耳も真っ赤にしながら ワナワナと震えるシュンを 抱きしめずには いられない。 ギュッと 抱きしめると シュンは スリスリと 顔を擦りつけてきた。 「一度しか言わないっつったろ?」 プスッと膨れながら シュンが呟いた。 「そうだね。なら 俺が 沢山 言ってあげる。シュン 大好きだよ!世界でシュンだけだから…」 「ばかっ…俺だって…」 やっと 俺とシュンは 本当に恋人となった。 世界で たったひとつの宝物を俺は手に入れた。 「言っておくけど…俺は ホモじゃないからな!」 「分かってるよ。シュンは ホモじゃない。だって 俺の事が 好きなだけなんだもんね」 「わ、分かれば…いい。あと…せ、せ、せっー」 シュン…無理しなくて良いのに。 「それも大丈夫だって シュンが嫌がる事は しない。シュンの事は 大切にしたいから…」 「べ、別に…キ、キスくらいなら か、構わないけど…」 ぷっ!マジ 可愛い。 「ふうん。そうなんだ?んじゃ遠慮なく」 と 言うワケで ハッピーエンドだよ。 次は 夏休み編に 突入だ!
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