マニアックス 夏休み

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今日から夏休みだ! そして 俺は 今 最も世界で 萌えている男である。 何故かって? それは シュンと両想いになったから。 世界中の男を 萌えさせるシュンは 俺のだ! そして 夏休み初日の今日は 何と シュンと初デートなんだ。 幸せ過ぎて 待ち合わせ場所に 2時間前から 立っている。 早く 来ないかな~。 キリは ソワソワしながら 腕時計を見る。 待ち合わせ時間は 11時。 まだ 30分近くある。 駅前の噴水前で 立ったり 座ったり 落ち着かない。 時折 トイレに行っては 身嗜みチェック。 シュンの恋人として 完璧でありたいのだ。 あれ…絶対にやりたいんだよね。 デートに ありがちな あのやり取り。 『ごめん…キリ 待った?』 シュンが 息を弾ませながら そう言うんだ。 もちろん 俺は こう答える。 『いや、俺も 今、来たトコ』 って…! そりゃあ 2時間前から 待ってたよ…なんて 言ったら さすがのシュンも ドン引きするよね。 今 一番 大事な時期だから ミスは 許されない。 そろそろかな? キリは 一旦 噴水前から 離れた。 駅前の時計台の影から 噴水を覗き込む。 シュンの姿が 遠目に確認できたら さも 今 来たよ的な感じで 噴水前に向かう為だ。 再度、腕時計を確認する。 時刻は 10時45分を指している。 恐らく シュンは 50分位には 姿を現す筈だ。 大丈夫…ぬかりは無い。 キリは 秒針を凝視しながら カウントダウンを始めた。 5、4、3、2、1…ゼロ!と、数えた瞬間に顔を上げる。 噴水よりも 僅かに離れた場所で シュンの姿を確認する。 一歩でも 早く噴水前に たどり着くのだ! 早足で 噴水前に近付く。 シュンより一歩 早く 到着した事に 成功した。
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