恋の道 参

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先程よりも僅かに穏やかな寝顔にフッと笑い、飛び出た手を蒲団へ戻そうとソッと掴む。 白く…細い腕。 こんな細腕で結構な力仕事やら…頑張ってたんだな。 『…』 そのまま小さな手を見ると、水仕事で荒れた少し痛々しい姿。 その手をやんわりと包み込むと込み上げるのは、愛しい気持ちと罪悪感。 …やはりもう少し平隊士に仕事手伝わせるか。 莉亜に話し掛けられるのは癪に障るが。 キツイ仕事量を思い浮かべて、己の異様な独占欲に蓋をし。 ふと気付くと包み込んでいた莉亜の手が開き、俺の手…と言うか、指を数本握り締める。 『ッ!』 その行動に胸がギュオッとなり、同時に顔がだらしなく崩れたのが分かった。 『ちょ…待…ッ…』 …………かっ ……可愛過ぎるだろ!!! 堪んねぇッ!!!!!! 『ッハ~…』 あ~駄目だ駄目だ。 顔が緩んで止まらねぇ… 空いてる方の手で口元を覆い、一人悶絶。 暫し波を乗り越えるのに徹した後、口元を覆っていた手を外し莉亜の髪を撫で付けた。 一体どうして… こんなにも愛しいと思うのか… 何故こんなにも好きになったのか…未だに分からねぇ…が… 惹かれて惹かれて仕方ねぇ。 『…』 撫でる手を止めて顔の輪郭に添う様に指を滑らせた後、唇をなぞり…瞳を閉ざしたままの莉亜の顔をジッと見つめる。 いっそ、滅茶苦茶に壊しちまいたいと駆け巡る欲望と…壊したくないと踏み留まる理性… …我が儘なんだろうか。 だが……組もお前も。 必ず…俺は。 惹かれるまま、莉亜の頬にソッと唇を寄せた。
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