恋の道 参

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莉亜の口の端から伝い落ちる飲みきれ無かった薬水を、手拭いで拭き取り再び白湯を口に含んだ。 顎を支え、唇を重ねると… 薬水で潤った唇は先程のカサつきが無くなり、熱く…柔らかな感触に変わっていた。 「…ん…」 ッ……。 ついグラつきそうになる不謹慎な思考を、何とかちっぽけな理性で抑え込みゆっくりと…水を流し込んでいった。 全て飲ませ終わると、名残惜しげにチラリと莉亜の下唇を軽く舌先で舐め、顔を離す。 …男(俺)って奴ぁ… 節操ねぇ生きモンだぜ…。 『ハアァ~…』 溜め息を吐き、濡れた莉亜の口元を拭った。 間近に辛そうな顔を見て、無意識に頼りない身体を抱き締めてしまう。 が、いかんいかんと腕を緩め、頭と背中を支えながら静かに横たわらせる。 肩口までしっかりと布団を掛けて…ホッと息を吐いた。 …これで、楽になってくれると良いんだが…。 しかし疲れた… 手拭いを莉亜の額に戻し、脱力した様に座り込む。 看病ってのは…気ぃ使うな。 …相手が莉亜だからか。 全てが華奢な造りの莉亜の扱いにまごついた。 壊しちまいそうで。 壊れる訳も無いのに…情けねぇ話だ… 苦い笑いを面に出して茶を啜ると、また出る溜め息。 と、莉亜が身動ぎしたので身を乗り出して見守ってると、暑いのか蒲団から片手を少し出していた。
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