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もう一つ大きく息を吐いた俺は落ち着きを取り戻し、顔に力を入れ直す。
…そういや…
何時もの莉亜なら、俺が自爆して照れてるのに気付いてからかって来るのに…
今回はバレ無かったのか?
不思議に思った俺が振り向くと、顔を逆上(のぼ)せさせたまま俯いていた。
…成る程。
自分ので手いっぱいって事か。
『フッ…莉亜。待っててやるから早く全部で落ちて来いよ?』
ビクッと顔を上げた莉亜の女の表情にクッと胸を掴まれる。
『…ッだから。そんな顔易々と見せるなって』
惹かれるままに顔を寄せ、ペロリとまだ熟れ切っていないのに甘い唇を舐める。
『また喰いたくなる』
「!?」
両手で口を押さえても無駄だってのがまだ分かんねぇのか。
『あ、言っとくがこの先も、まだ半端な気持ちのお前を抱くつもりはねぇから安心しな。それは耐えてやる』
「…は、い…」
あからさまに安心した様に両手を下ろす姿に、若干モヤッとしたがまぁ仕方ねぇか。
『但し』
「へ?」
俺は油断してた莉亜の、両二の腕をガシリと掴むと間近で誘う様に笑ってやった。
これくらいは譲歩してくれ。
『お前の唇はもう俺のモンだからよ。いつ何どきでも俺の口付けを拒む事は許さねぇ。逃げたら…』
固まって瞳が転がり落ちると思う位見開いた莉亜に、優しく耳元で囁いた。
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