雙の道 弐

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もう一つ大きく息を吐いた俺は落ち着きを取り戻し、顔に力を入れ直す。 …そういや… 何時もの莉亜なら、俺が自爆して照れてるのに気付いてからかって来るのに… 今回はバレ無かったのか? 不思議に思った俺が振り向くと、顔を逆上(のぼ)せさせたまま俯いていた。 …成る程。 自分ので手いっぱいって事か。 『フッ…莉亜。待っててやるから早く全部で落ちて来いよ?』 ビクッと顔を上げた莉亜の女の表情にクッと胸を掴まれる。 『…ッだから。そんな顔易々と見せるなって』 惹かれるままに顔を寄せ、ペロリとまだ熟れ切っていないのに甘い唇を舐める。 『また喰いたくなる』 「!?」 両手で口を押さえても無駄だってのがまだ分かんねぇのか。 『あ、言っとくがこの先も、まだ半端な気持ちのお前を抱くつもりはねぇから安心しな。それは耐えてやる』 「…は、い…」 あからさまに安心した様に両手を下ろす姿に、若干モヤッとしたがまぁ仕方ねぇか。 『但し』 「へ?」 俺は油断してた莉亜の、両二の腕をガシリと掴むと間近で誘う様に笑ってやった。 これくらいは譲歩してくれ。 『お前の唇はもう俺のモンだからよ。いつ何どきでも俺の口付けを拒む事は許さねぇ。逃げたら…』 固まって瞳が転がり落ちると思う位見開いた莉亜に、優しく耳元で囁いた。
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