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『お前の唇を何処までも追って捕まえて貪り喰って―…』
「ッ!?ひじ…」
『その場で押し倒す』
「え!?」
肩を揺らす莉亜を離さずに、やんわり抱き締める。
『そのまま…抱く』
「ええ!?」
耳元で囁いていた俺から、飛び上がる様に逃げた莉亜に吹き出した。
『フハッ!ハッ!抱くってのぁ冗談だよ。ククッ!ま、押し倒すまでは本気でやるが』
「そッ…そんな無茶苦茶な…」
ガックリ項垂れる莉亜の頭を撫でて鼻で笑ってやる。
『無茶苦茶好きだから無茶苦茶になるらしいぜ?俺は。良いじゃねぇか。お前が逃げなきゃ済む話だ』
弱り切った顔を上げた莉亜に爽やかに笑う。
こちとら、お前が完全に落ちるまで色々耐えるのが大変なんだからよ。
口付け位は好きにやらせて貰わねぇと、割りに合わねぇだろ…ってのは勝手な俺の言い分か。
あ~ぁ。
始めの頃はゆっくり待つなんて思ってたが、走り出したら止まれなくなっちまった。
早く。
早く、と。
だが、それは決して焦りからでは無く。
ただ純粋に欲する想い。
ジッと広げたままで待つ俺の腕の中に、自らの意思で飛び込んで来る愛しい女が待ち遠しくて仕方ねぇ。
だから、
それまで。
『拒むのは許さねぇ』
熟れる間近の獲物を俺に。
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