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「何とか、歳と一緒になって貰えないだろうか…」
「気が早過ぎますよ、近藤さん。まだ出会ったばかりなんでしょうから…土方君はともかく莉亜さんは」
「そこなんだよ!全く歳のヤツ…どうでもいい女を落とすのは手早い癖に、何だって肝心な相手には…」
ギリギリと音が聞こえてきそうな程拳を握りしめて、厳めしい顔を更に険しくした近藤は迫力満点である。
もしこの瞬間に敵と相対していたならば、相手は尻尾巻いて逃げるか白旗を上げたかもしれない…。
「本気で好いた相手だからでは?」
「え?」
「きっと土方君自身もまだ戸惑っているのかも知れません。本気で好いた人を口説くのは初めてでしょうから。ふふっ。案外嫌われたくないから何も出来ないのかも…可愛いじゃないですか」
俯き気味にクックと笑う山南…。
近藤は裏の山南を垣間見た気がして一瞬寒気を覚えた。
が、直ぐに忘れて膝を打つ。
「成る程!そういう事か!ふむ…殊に屯所内ではろくに動けまい。かくなる上は俺達が一肌脱いでやらねば!」
何か意味が違う解釈している近藤には何も言わず、楽しげに先を促すとイキイキと計画を語り始める。
「仕事虫の歳に休みをやるんだよ!勿論、莉亜にも。歳の仕事は俺達が分担して…莉亜の仕事は以前の通り、隊士達に分担させる。…どうだい?山南君!協力してくれるかい!?」
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