‥‥温かい

22/41
1145人が本棚に入れています
本棚に追加
/1211ページ
「本当に綺麗な髪ですね。普段、どのような手入れをしていらっしゃるのですか?」 「……特には」 「何もしないでこれなの!?神だね!じゃあ、シャンプーは何使ってるの?」 「…………?」 少し考えた冬月は、俺の予想を遥かに超えた事を言い出す。 「……海と一緒」 「海って、空の妹の海ちゃん?」 無言で冬月が頷く。 この瞬間、俺は全力で神に祈った。  頼む!頼むから余計な事は言わんでくれ! さっきまでの和やかな空気は吹き飛び、真冬に戻ったような冷たい空気が俺を包む。 「……昨日は空と一緒のお風呂に入ったから」 被爆! 「うおおおっ!?なぜ、意味深い言い方をする!?」 「……間違った?」 悪びれる様子もなく首を傾げられた。 もう俺にはツッコむ余裕も、訂正する余裕もない。 「やりますね空」 「おぉ、スクープゲット!」 「発情期が!」 「ハレンチなっ!」 四者四様の目に晒されるしかなかった。
/1211ページ

最初のコメントを投稿しよう!