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作戦通りに教室から脱出成功した俺は、出来る限り音を立てないように全力で廊下を疾走する。
廊下は走ってはいけません‥‥知った事か!人の命がかかっているんだ!
走りながら風紀のポスターが目に入るが、自分なりの理由をつけて無視する。
くそっ!なんだよ!?平和な睡眠タイミングにあんな場面見せやがって!
もし、本当に自殺なら直前の姿を見てしまった俺は罪悪感に捕らわれるだろう。
自殺じゃないなら、それでよし。
とにかく、真相を確かめる為にも屋上に急がねばならなかった。
だが、教室から屋上に上がる階段までは校舎の端と端。
焦る気持ちと音を立てないように走っているせいか、いつも以上の距離と疲労を感じる。
こんなに遠かったか?
焦りは焦りを呼び、得体の知れない焦燥感が身体を包み込む。
その焦燥感を振り払うかのごとく、走り続け2階の端までたどり着いた。
残るは階段だけ。
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